独立店舗をオープンしたばかりの頃に会員になられたご家族とのお付き合いも、もう丸5年。ホテル時代からの会員の方とは既に7年以上のお付き合いとなるわけです。
1歳だった子がもうシニアと呼ばれる年齢にさしかかり、つくづく月日の経つのが早いと実感してしまいます。
そんなタイミングで、本格的なホームページを立ち上げることになり、5周年(前身からだと7周年)を機にAD.DOGのポリシーを、今後も見据えてハッキリと定めておこう思いました。
AD.DOG Support Companyというこの名前の示す通り、私はわんこ・にゃんことその家族を生涯支え、サポートする仲間(家族)でありたいと願っています。
そのために、栄養のこと、教育のこと、身体のこと、生活のこと、病気からアレルギー、介護のこと、看取りに至るまで、様々なアドバイスをじっくりと、寄り添いながら行ってゆきます。ですから、AD.DOGの「AD.」はアドバイスの略なのです。正式な読み方は「アド・ドッグ サポート カンパニー」となります。 

(以下のポリシー全文をお読みいただきたいのですが、かなり長文になりました。索引より各テーマに跳ぶこともできますので、ご興味を持たれる内容から読んでいただくのも良いかと思います)
 
AD.DOG Support Companyの考え方
【索引】
■「一番根底の部分は、”我が子のために”」
■「知識と経験から確立した、AD.DOGメソッド。ペット(愛玩動物)ではなく、家族として育てるという考え方」
■「広義、狭義の両方から健康管理を考える、そして、そのために出来る限りのことをする」
■「会員制にするのは身内の証(あかし)。家族や親戚のように末永くお付き合いをするから」
■「緊急以外、完全予約制なのは無料対応を続けるため。スムーズに気持ちよく過ごして頂くためのルールです」
■「日本の交配環境は、経済最優先の悲しい状態。遺伝疾患を抱える子が多い現状に、できる最大限の対応」
■「AD.DOGオリジナル・メソッドの根本要素は、食育・知育・体育の3つ」
・1、食事・栄養管理について
・2、知育・教育について
・3、運動・体育について
■「看取りと、その後のご家族の心のケアその子が心の中で生きている限り、お付き合いは終わりません」 
 
「一番根底の部分は、”我が子のために”」
私はペットの栄養管理士です。また、NPO認定のドッグアドバイザーでもあります。
ドッグアドバイザーの資格を取得するために、1年間専門の学校へ通い、犬の扱いからトリミング、トレーニング、身体的なことなど多角的に勉強をしました。当時は担当犬制度があり、私が担当していたのはトイプードルで、トリミングの実習では4時間もかかって、私にはトリマーは無理だとつくづく思ったりしました。
そんななかで、トレーニングのやり方にも様々な方法があると知り、それ以前からも興味のあった介助犬のトレーニング方式に特に強く惹かれました。  
 おやつや体罰を一切使わず、言葉を教え、考える知能を育て、自らの意思で行動できる子に育てる介助犬方式は、本当に心を通わせ信頼関係を築くことでしか成り立たない教育方法です。私がその教育方法に強く惹かれた一番の理由が、この仕事をすることになった理由でもあります。
それは、うちの子(白柴)「三華(さんか)」の存在です。全ては、三華のために始めたことでした。
まだ、生後数ヶ月の三華に何を食べさせ、何を教え、どんな風に導いてゆけば良いのか……今年12歳になる三華が私をこの道へ進ませるキッカケとなったことは間違いありません。
 
この子がいなければ、今の私は存在しなかったと断言できます。
そして、私の現在の教育方法の基礎を教えてくれた介助犬のトレーナーであるY氏は、私のトレーニング面での師匠であり、今でも良き相談相手です。師匠から学んだ介助犬のトレーニング方式は、おやつを使ったトレーニング方法とは根本的に違っていました。三華にはおやつやフードで釣ったり、体罰や大きな音で脅したりするような、サーカスの猛獣に芸を仕込むような方法は絶対に嫌でした。
きちんと言葉を教え、行動には言葉があるということを根気よく、何度も何度も繰り返し教えて行きます。そして、自分の頭で考え、選択して行動できる子に育てたいと思いました。それこそが、今のAD.DOGの教育方法の根本となる考え方の誕生したキッカケです。
師匠との出会いは、三華が引き合わせてくれたもっとも素晴らしい出会いの一つです。 
 
「知識と経験から確立した、AD.DOGメソッド。ペット(愛玩動物)ではなく、家族として育てるという考え方」
栄養学もトレーニング方法も学校へ行ったり、本を読めばある程度の教科書的な基本知識を得ることはできます。けれど、その知識はどこまで実用性があって、どこまで信用できるのか? それは実際に経験を積んで行かなくては答えの出ないものでもあります。  
みなさんも躾の本やネットでの栄養に関する話題などで、様々な説があったり説明があって迷うことがあるのではないでしょうか。10年以上前の私もそうでした。何を信じて、何を疑えば良いのか、それを判断する基準は曖昧で自らの経験も乏しく、誰に聞いても納得のゆく答えは得られませんでした。
そこで、それなら自分ですべてを見聞して、自分が実際に見たり試したり、納得のゆく検証と経験を重ね、自分の中にデータと臨床経験と知識を蓄積してゆくことで、確固たる信念を持って取捨選択をできるようになろうと決心しました。
 
基本的な事は学校や師匠、教科書がいくらでも教えてくれますが、自分で一つ一つを経験し、検証するのは本当に時間のかかる作業です。
思い立って12年、日々の中で試行錯誤を重ね、迷ったり、悩んだり、発見したりを繰り返す日常でした。勉強から始まって、臨床、データ、日々の仕事の中で多くの経験を積み、多くのデータを得、そこから独自の方法を導き、さらにそれを進化させ、常に新鮮な知識と照らし合わせながら、現場の状況やニーズに適した判断とアドバイスがようやく出来るようになったと感じるこの頃です。
「健康に過ごす」、「元気で長生き」というのは、栄養面だけが問題ではありません。教育・知育面、体育・運動なども同じように大切で、どれが一番というものではありません。ですから会員の方には常に、「食育」「知育」「体育」と、この3つの重要性をお話ししています。様々な事に関連づけ、なるべく多角的にお話したいと思っているので、ついついお話が長くなってしまいます。ご予約を取ってお越し頂くのは、腰を落ち着けてお話したいし、聞いて頂きたい、また、その子の事を全て聞かせて頂きたいという気持ちが強いからなのです。  
  
「広義、狭義の両方から健康管理を考える、そして、そのために出来る限りのことをする」
また、私の仕事は予防だけでなく、現在疾患にかかっている子のケアも含まれます。
その場合は特に注意が必要になります。獣医師と連携してその子を包括的にケアしてゆくので、予防とはまた違った対処法が必要になります。
関節疾患や慢性の病気は長く根気のいるケアが必要になります。ご家族の生活環境などと照らし合わせながら、どうすればその子にベストなサポートができるかを一緒に考えてゆきます。また、術後の栄養管理などは、元気に回復してもらうためには必要不可欠のものです。  
 
ほぼ毎年、海外へ買い付けと情報収集に行くのは、こういった様々な側面から彼らを支えるために、新しい情報や知識は多いにこしたことはないと思うからです。知識や経験はどんなに増やしても決して荷物にはなりません。むしろ、より多くの可能性や選択肢を検討し、それぞれの子にしてあげられる限界を広げることができる、最良の方法だと考えているからです。私は日本のメーカーの出す情報を決して鵜呑みにはしません。ネットのうわさ話も適当にしか取り合いません。そのかわり、アメリカやヨーロッパへ実際に出かけて行き、自分の目で見て、自分の足で情報を集めるようにしています。世界規模の展示会で何千というブースを見て回り、日本に居ては知る事も出来ない情報や新しいアイテム、信頼できるアイテムを見て、手で触って、様々な評判を聞いて買い付け、輸入もします。
また、その国のペット事情や最新の医療事情の情報も収集してきます。
海外へ情報収集や買い付けに行くたびに思いますが、日本の国内に入って来る情報やアイテムは本当に限られているということです。かろうじて入って来たその少ない情報さえ、メーカーなどに操作されていることがほとんどです。本当に、残念でガッカリしてしまいます。
だからこそ、自分の持てる知識と経験、技術を使って、あの子達の負担を最小限に抑えた方法を正確に取捨選択し、様々な企業の思惑やプレッシャーから守ってやらないといけないと切実に感じています。そして、その安心で安全な方法で、出来る限りのケアとサポートをしなければならないと心から思うのです。

  
 「会員制にするのは身内の証(あかし)。家族や親戚のように末永くお付き合いをするから」
私が栄養管理士として使用するフード、その他のタンパク源などは基本的に我が子である三華に安心して食べさせられるレベルであることが大前提です。
現在は、仕事として様々な子の栄養管理をすることが日常となっていますが、そもそもの始まりが、三華に元気で長生してもらうためにフードは吟味に吟味を重ね、副食となるタンパク源は、探しに探して作り上げたものです。
私が店に置くものや扱うものは、全て三華が安心して食べられるもののみで、今もそれらをお裾分けする気持ちでいます。
というのも、AD.DOGは会員制で、会員の方の子は全て三華の兄弟姉妹だと考えているからです。前述したように、みなさん長いお付き合いです。小さいときから知っているその子と家族を、成長に沿ってサポートし、時には厳しく、時には大らかに見守って行きます。
ご家族に対しても、私は親戚のような気持ちで接しています。だから、けっこう厳しい要求もします。私から、夏のお散歩は朝の5時に起きて散歩に行ってほしいと言われ、困り果てていらしたご家族もいらっしゃいます。けれど、いつしかちゃんと早朝のお散歩が日課になって「早起きも習慣になると苦にならない」「昼寝をすれば大丈夫」と、我が子のために頑張って行かれています。そういうご家族のためなら、私はいくらでもサポートしますし、時間も体力も惜しくはありません。
会員の方に対して、アドバイス料や相談料といったものは、オープン以来一切いただいておりません。それは、もし、時間で区切ってお金を頂いたり、相談料というものを頂くと、「この話をすると長くなるから、これで止めておこう」とか「つまらない相談は止めておこう」ということになるのではと危惧するからです。本来、早期発見出来るはずの病気の端緒が放置されることになると、結局、そのしわ寄せがあの子達へいってしまいます。
いつでも気軽に、どんな些細なことでも、ちょっと気にかかったことでも、相談していただくことで病気の端緒を見つけ、大事に至る前に対処することができるのではないかと考えています。定休日や休暇中でも、緊急の電話やご連絡は遠慮なくしていただくのも、一刻も早く対処をした方が良いと思うからです。
そして、なにより家族の方の不安やパニックを、少しでも軽減することで冷静な対応をお願いすることができるからです。
親戚や身内の子に何かあったら……、身内の一大事に定休日や休暇は関係ありません。
私は栄養管理士であり、ドッグアドバイザーでもありますが、みなさんと同じ「○○ちゃんのママ」、つまり三華のママでもあります。
常にその視点で、我が子に対するご家族の想いや、悩みを共有していたいと願っています。  
三華にだったらどうするか? 三華にならどの方法を選択するか? いつも、大きな決断を迫られるご家族にアドバイスをする時、様々な選択を一緒に考え、プロとして可能性を正確にお伝えしようと心がけていますが、最後の最後のところでは「我が子ならどうするか」という視点を絶対に失わないようにしています。
むしろ、どの方も会員として末永く親戚のようなお付き合いをしているので、自然と身内の感情が湧いてくるものです。逆に思い入れが強すぎて、ついつい時間も忘れて話し込んでしまい、お急ぎの時などはご迷惑をおかけしているかもしれません。 
 
 
「緊急以外、完全予約制なのは無料対応を続けるため。スムーズに気持ちよく過ごして頂くためのルールです」
私はどんなに忙しくても、知育などの躾け、日常の運動について等、これら全ての相談に対応しつつ、栄養面の主軸となる食事内容も一人で考えています。私のポリシーとして、間接的に関わるのではなく、常に直接、関わってゆきたいと願っているからです。
誰かに頼んで、部分的にチェックする……というやり方も無いわけではありません。経営という視点から、それをすすめられることもあります。確かに、”効率”ということだけを考えれば、それも一理あります。けれど、やはりそこに”身内意識”が立ちはだかります。三華を人に託せないように、会員の方の子達も、やはり私がきちんと把握して、その子その子を大事に見てゆきたいのです。ましてや、ひとりひとりの子と深くかかわってゆくとなると、集中するためにもじっくり時間をとってお話を伺いたいと思います。落ち着いてお話するためには、どうしても予約が必要になるわけです。
 また、一切、相談料を頂かないのは、もし、1時間いくら、1件いくら…… というように設定すると、「この質問をしたら、時間がかかるから止めておこう」「もう一つ聞きたいことがあったけれど、止めておこう」というように、ご家族の方が躊躇することで病気の端緒を見落としてしまう可能性があるからです。
また、教育に関しても、早い段階で相談をして頂ければ、すぐに対処することで解決する問題も対応のタイミングが遅れたばかりに、大きな問題に発展してしまうことも少なくありません。いつでも、どんな時でも、気軽に、何度でも、相談できることが私は何よりも大切だと思っています。三華の親でもあるからこそ、心からそう思っています。
ただ、一人でやっている以上、やはり一人でできる限界というものがあります。
 
 
宣伝は全くしないのですが、口コミなどで会員の方が増えています。
できる限りの子を診てあげたいと思ってはいるのですが、やはりそれには限界があります。そうなると、会員になっていただくかどうかをどこで線引きをするか……ということにもなってきます。
私としては、それは、もうその子の事を「本当に家族として、真剣に考えていただいているか」ということに尽きます。「可愛いペット」程度の捉え方では、私のアドバイスは多分、理解して頂けないと思います。
相談料などは一切いただきませんが、その子、その子に応じたオリジナルの食事内容を考えますので、栄養管理は金額的にもかなり高額になります。フードも何種類かのものを計って与えて頂きますので、手間も暇もかかります。教育に関して、運動に関して、季節に応じてあれこれと細かい指導をしますので、ご家族の肉体的・時間的な負担も決して少なくありません。そういったことを全てご承知の上で、それでも「大切な家族なんだから」きちんとしてやりたい、きちんとするのが当たり前、と考えてくださるようなご家族であれば、私は喜んで誠心誠意、お手伝いをさせていただきます。  

 
「日本の交配環境は、経済最優先の悲しい状態。遺伝疾患を抱える子が多い現状に、できる最大限の対応」
元気な子はもとより、病中病後の子、慢性疾患と付き合って行かなければならない子、また、介護の相談や看取りの相談もお受けしています。
シニアになってから、初めてお付き合いの始まる方もいらっしゃいます。
「出来る事なら、まだ小さいうちに出会っておきたかった」シニア犬を抱えたご家族は、必ずそうおっしゃいます。私も本当にそう思います。もっと早く出会っていれば、もっと色々なことが出来たかもしれない……そう思う事もしばしばです。
天寿というのは、人にも犬にもあります。
しかし、それがいくつになるのか? それは犬の神様以外、誰にも分かりません。
遺伝の問題など犬が抱える交配環境は、ブリーダーに対するきちんとした規制が無い日本では酷い状況です。遺伝疾患があっても平気で交配させる、お金目的の悪質なブリーダーは後を絶ちません。また、ブリーダー自身に正確な知識が全く無く、素人と同じレベルの偏った知識や、あるいは単純な無知による危険な交配をさせていることも珍しくありません。
売れる毛色を作出するために、命を引き換えにしたような交配をするブリーダーも存在します。生まれた子犬のほとんどが死んでしまうようなリスクがあっても、生き残る子がいればその子を高値で取引できるので作る……なんとひどい考え方でしょう。命を命とも思わない、本当に残酷な交配。けれど、経済が先行してしまうと、人の感覚は麻痺していしまい、法律で規制でもしない限りは、彼らが自主的に止めることはあり得ないでしょう。
 
地方の家族へネット販売し、生まれて数ヶ月の子を箱に入れて宅配便を利用し平気で遠方へ送ったり……、ペットショップでは「生命保証」なるものがあり、1〜2週間で死んだら「他のよく似た子」を用意しますという保証をしたり。。。
命を命とも思わないような信じられないことを平気で行っているところは山ほどあります。
また、それらのことを当たり前に感じている方にも、大きな問題があります。
 
現在、犬や猫を家族にしている方が、みんな揃って旅行へ行く時に、便利だからという理由で北海道や九州のホテル宛に、わんこを箱詰めにして宅配便で送りますか? そんなことはとうてい考えられないと思います。また、病気になったら、亡くなったら、我が子に似たような子に代えてもらえば、それで解決するのでしょうか?
家族になり我が子になって、その命の掛け替えの無い重みを知ると、そういったブリーダーやペットショップの「命より商売先行」の残酷さが実感として分かるのではないでしょうか。買う側が存在する限り、売る側も存在し続けます。どこかのタイミングで、「買わない」という行動が起こらない限り、販売する側が自主的に売らなくなることは考えにくいでしょう。
そんなブリーダーが交配したりペットショップが子犬市場で購入してくる子達は、遺伝疾患を抱えていたり、様々なリスクを抱えている子がとても多いのが実情です。 
脱臼癖がある、ヘルニア、内蔵の奇形、てんかん……これらは、素人が外見を見ただけで判断できるものではありません。耳の疾患などもある程度成長してからご家族が気づかれることがほとんどです。噛み合わせのアンダーやオーバーの子も、平気で取引されています。
ある程度たって例え病気が判明しても、その時点で「もういりません」とおっしゃるご家族など私は出会ったことがありません。皆さん、「縁があってうちの子になったのだから……」と、本当に出来うる限りの治療を手厚くされています。
劣悪なブリーダーやペットショップを規制するだけで、遺伝疾患等で心を痛め、ご苦労されている多くのご家族がどれほど救われるかと思います。
ペットショップやブリーダーからしか購入の選択肢がほとんど無い日本の場合、もともとが健康かどうかの判断も正確には出来ない状況ですので、その子達をしっかりとケアしてゆくのは獣医師にとっては重責だと思いますし、管理栄養士の立場からも本当に大変なことだと言えます。
もちろん、日本の全てのブリーダー、ペットショップが劣悪とは言いません。が、商売先行でなく、種の健全な存続を目的として本来のブリーディングをしている所は、数えるほどしか私は知りません。ペットショップに至っては、もともとが生体販売(生きた子犬をケースに入れて販売する行為)自体、欧米先進国では「虐待」として法律で禁止されています。免疫力もほとんど無いような年端のいかない子犬を母親から離し、プラスティックの透明ケースに入れて販売すれば、どんなトラウマや健康面においても弊害があるかは詳しく述べるまでもないと思います。
天寿が長くても、例え短くても、そういう運命を背負って生まれて来た子達を、私は虹の橋を渡るその日まで、元気に過ごさせてあげたいと心から思っています。
もともと疾患が隠れているかもしれない子達ですが、それがなるべく出現しないように日頃から免疫力を上げておきたい、では、そうするにはどうしてあげればいいのか?

   
「AD.DOGオリジナル・メソッドの根本要素は、食育・知育・体育の3つ」
私は、家族である三華が元気で長生きしてほしいと、心の底から切に願っています。
だから、三華の兄弟姉妹でもある会員の家族のわんこも、同じように元気で長生きしてほしいと心から願っています。
ただ大きな違いは、会員のご家族の方は「願う」だけでいいのですが、私はその願いを具体的な形にして、その方法を分かりやすく示し、実際に元気で長生きさせてあげたるために、自分の持てる全ての知識とスキルを使って、「ご家族の願いを叶える」ことが専門家としての自分の役目だと思っています。
 
元気で長生きのためには、具体的な3つの必要不可欠な要素があります。
そのうちの一つでも欠けると、願いは叶わないと思ってくださっていいぐらいです。
1、栄養のバランスが取れた食事:食育
2、言葉を教え、自らが考えて行動する教育:知育
3、身体をしっかりと使い季節や年齢に応じた効率の良い運動:体育
この3つが必要不可欠な要素です。 
 
栄養は大切です、けれど栄養のバランスだけ考えて、運動もいい加減にして頭も使わないというような生活では決して健康で長生きは望めません。運動だけに特化しても、頭だけ使わせようとしても同じです。食育、知育、体育はこの3つがバランスよく機能してこそ、その相乗効果が「元気で長生き」という結果を生むのです。
またそして、この3つは家族の協力無くしてはあり得ないものです。
人間の子供は口もきけるし、ある程度の年齢になれば自分で好き勝手に何かを買ったり、食べたり、出かけたりすることが出来ます。しかし、わんこやにゃんこは与えられたものしか食べる事が出来ず、連れて行ってもらえる時しか出かける事も出来ず、その事に対して文句さえ言うことができません。
人間の子供よりもしっかりと関わり、見守ってやらないといけない子達なのです。
人間の子供は一定の年齢になると、社会へ巣立って行きます。しかし、わんこやにゃんこは生涯、家族の側に居て家族という世界の中でだけ生きて行く子達です。だからこそ、しっかりと責任を持って、最期まで愛情を注ぎ看取ってやらないといけないのです。
栄養面、知能面(ストレスは免疫力を下げますので、言葉を理解させて自分の判断で行動出来る子のストレスは、無理矢理止めさせられている子より格段に軽減されます)、体育・運動面、それぞれに於いて、その子その子に応じてきめ細やかに対応することで、「単に長生きをさせる」ことを目標とするのではなく、「生活のクオリティ」自体を向上してあげることが出来ます。
それは、現在罹患している子も同じです。人間の「Q.O.L( Quality Of Life)」が問われるようになってきましたが、犬や猫も家族として人と同じく「Q.O.L」が問われる時代になっていると私は考えています。

   
1、食事・栄養管理について
まず、基本的にはドライフードを使用します。
年齢、家族構成、ストレスの度合い、季節……様々な要素を考慮して、その子に応じたフードの構成を考えます。使用するフードはドライが基本で、4種類から5種類となります。
朝・昼・夜の3回が基本です。朝と夕方だけあげているというのを聞きますが、食事の間隔が12時間も開くのはよくありません。お腹が空き過ぎる前にあげることで空腹によるストレスも避けられます。また、身体の小さい子は、特にたくさん食べて溜め込むというようなこともできませんので、きちんとコンスタントに食のリズムを整えてあげることが必要です。仕事で残業になる、用事があって帰宅が遅くなる、なかなか規則正しくあげられない……そんな場合は、あまり無理をせず、フードセーバー(自動的に食事を与える機械)の利用をおすすめしています。 
食事というのは、生涯続くものです。数回の無理はできても、長続きしない上、ストレスになります。毎日の食事時間に縛られるより、フードセーバーなどを積極的に使うことで、与える方もらう方も双方が、無理をせず決められた時間に食事をきちんと食べられ、リズムが整い胃への負担も軽減されます。  
また、食事の内容は毎月変わります。それは、様々なタンパク源を摂取するためであり、季節や環境の変化を考慮して、極力、バランスの取れた食事内容にするためです。
フード構成に関しては、その子の健康状態、アレルギーの有無、運動量、年齢、環境、慢性疾患の有無等、様々なファクターを考慮して吟味しています。
フードの構成は、知識のない一般の方が、適当に混ぜたりすると返って栄養のバランスを崩してしまったり、阻害してしまったりすることがあります。
単純に数をたくさん混ぜれば良い、というものではありません。また、人間と犬とでは身体の構造も必要なタンパク質の量も違います。きちんとした栄養学の知識が無く、人間と同じような感覚でフードや一般的な食べ物を与えたりすることも、結果的には犬の寿命を縮めることになりかねません。AD.DOGからお渡しするフードには、きちんと何をどれだけ与えてもらうか、1グラム刻みで書いたものをお渡しして、その通りにデジタルスケールで計ってあげていただきます。勝手な判断で量を調整しないように、くれぐれもご注意下さい。
  
毎月、フードを考える時、その子の事を思い浮かべ、何度もフードの構成を考えます。
季節の変わり目にはその事を考慮し、また、ご家族のライフスタイルの変化など環境の変化も重要な要素として考慮します。小学校のお子さんがいらっしゃるご家庭では、春休みや夏休み、お子さんがおうちに居るだけで生活のストレスは変わります。昼間、お母さんとノンビリ過ごしていた子にとって、春休みや夏休みは落ち着かない慌ただしい期間になります。
 
家族に子供がいるところもあれば、老夫婦だけのところも、共働きの若い夫婦のところもあり、本当に家族の形体は様々で千差万別の事情が存在します。それらを一つ一つ考慮して、4〜6種類のフードを使って栄養管理を考えて行きます。
一度考えた構成を、お引き取りにいらっしゃる直前に変更したり、作ってしまったものを1から考え直すこともあります。どんなに時間がかかっても、何度考え直しても、妥協することだけはしたくないといつも思っています。
「妥協」というのは、その先に「後悔」というものがあるような気がします。
この程度でいいか……とやったことが、その程度の結果にしかならなかったとき、どうしてあのときもっとちゃんとしておかなかったのか……と、後悔するもとになってしまうように思うのです。
これ以上の内容は考えつかない、というくらいの真摯な気持ちで毎月の栄養管理に取り組んでいるつもりです。

-病中・病後は特別な栄養管理が必要-
病中病後は、さらにきちんとした栄養管理が必要です。
傷の治り、身体の回復が栄養管理をしない場合とは大きく異なります。
身近な例では我々が風邪をひいて寝込んだ時、何も食べないでいるのと、消化が良く栄養価の高いものをきちんと摂取するのとでは、回復に確実に違いが出ます。
身体が治ろうとする時に、栄養がどれほど治癒の力になってくれるかは誰しも実感していることであり、それは犬でも猫でも同じです。
また、慢性の病気や関節疾患、てんかん等、生涯付き合わないといけないものもあります。
  
きちんとした栄養管理をすることで、痛みを和らげたり、症状を抑えたりすることが可能です。その子の症状や状態に合わせて、獣医師と相談しながら必要な栄養管理を行います。
食べ物というのは、身体の底力を押し上げてくれるものでもあります。
それは、昨日今日のことではなく、日々の積み重ねが免疫力を高め、丈夫で強い身体を作り上げて行くのです。
一朝一夕には行かないものですが、日々の積み重ねが結果的には将来の健康を大きく左右することになります。
 
お店をオープンして8年目となると、最初からの会員さんの子がシニアとなっています。どの子も元気で溌剌とし、その身体の美しさはご家族もほれぼれするほどです。ここでいう「美しい」とは容姿の美醜ではなく、健康な子は美しいということです。被毛も目も耳周辺も、健康な子は自浄作用が機能しているので、悪臭がしたり、異常な変色などが起こりません。タンパク質も行き届いているので、フケが出たりすることもありません。また、数字を追いかけるのではなく、その子にとっての適正な体重と筋肉を保てるよう栄養管理しているので、全体のフォルムもバランス良く整っています。そういう意味でいつまでも「美しい」のです。
-シニアの子のケアは6歳からがポイント-
人間もそうですが、年齢を重ねて来ると当然身体の代謝機能は衰えてきます。
外見はまだまだパピーのように見えたとしても、犬の身体の内側では6歳を過ぎると「老化」が始まるのです。否応なくやってくる老化の速度を少しでも遅らせ、いつまでもその子が「老い」を感じないように、しっかりとサポートしてやらないといけなくなるのが6歳以降です。
白内障で目が白濁してしまってから、慌てて何とかしようとしても、もう遅いのです。
人間は手術という手段もありますが、犬が白内障の手術を受けるとなると、保険もききませんので入院・手術・薬代・検査と100万円近くの費用がかかります。
それなら、まだ症状が悪化する前に予防を考えるほうがずっと建設的です。
白内障に限らず、歯周病もそうです。なってしまってから慌てるのではなく、予防出来るものはできるだけ早くから気をつけてケアしてあげることが必要だと考えています。
6歳はそういった意味でも、症状が出ないまでも、身体の内側では確実に老いの影響を受け始める年齢ですので、ターニングポイントと考えて間違いありません。
このポイントをしっかりと意識して、症状が出る前からきちんと対処して、極力、老化の速度をゆっくりに抑えるケアをしてゆきます。
食事の栄養バランスもこの年齢あたりから、意識して「質」を上げて行きます。
若い頃は「量」が問題でも。年齢を重ねて来ると「量より質」に移行します。それは人間も同じです。臓器そのものも老化することにより、消化機能も濾過機能も、若い頃に比べれば当然衰えてゆきます。   
しかし、犬も猫も人間よりタンパク質を必要としているので、年齢を重ねてたからと言って人間と同じようなお野菜中心の精進料理…… というわけにはゆきません。
より良質のタンパク質、雑味が少なく純度の高いタンパク質を食事に取り入れ、フードも使いながらその子の身体に必要なタンパク質や脂質などを季節や環境など個別のファクターに合わせて考えて行きます。
 
6歳を過ぎると、より個体差が出る分、その子の状態や取り巻く環境も充分に意識してあげる必要があります。身体の変化にしっかりと対応する栄養管理に加えて、ご家庭でのストレス対策(認知症予防)、毎日の運動の指導など、その子が無意識のうちに「よりよいシニア生活」を満喫できるよう、AD.DOGはその子だけでなく、ご家族に対してもきめ細やかにサポートしてゆきます。それは、家族がストレスを抱えると、結果的にはあの子達へしわ寄せが行ってしまうからです。
6歳以降は「体力」「気力」なども含め、次第に失うものが多くなって行きます。その分、カバーしたりケアしてあげることが多くなるのは、人も動物もお互い年を重ねることに例外はありませんから、しっかりと向き合って助け、理解してあげてほしいと思います。
当然、費用も若い頃に比べ、かかるようになってきます。量より質に移行し、「快適で元気に老いて行く」ためにはどうしてもそれなりの負担は必要になってきます。
しかし、それで病院通いをするストレスや、痛い思いをしたり、辛い治療を極力避けられるのなら、健康を維持するためにかかる費用は決して無駄ではないと考えます。
-偏食が激しい子に対する、偏食改善メソッドもご用意しています-
ほとんどの子が完全に偏食から解放され、お皿を嘗めるようにきちんと食べられよう、また、それが定着するようにしてゆきます。
2、知育・教育について
これは必要不可欠なファクターです。
人間の子供と同様、教育することで知能はより発達しますし、学習能力も向上します。
当然のことですが、犬は下等な生き物ではありません。人間と仕事のパートナーを組んだり、目や手や足の不自由な人の生涯のパートナーとして支えてくれたり、その能力は計り知れないものがあります。もちろん、人間同様、個体差は存在します。優秀な人間ばかり存在しないのと同じで、学習速度の早い子もいればゆっくりの子もいます。
 
その子に応じたやり方、その子に応じた速度、また、家族の啓蒙も大きな課題です。
私の見る限り、犬に問題のある場合より家族に問題のある場合の方が、はるかに多いような気がします。まずは家族の意識改革から取り組むことになります。
言葉を教え、行動を教え、全ての行動には言葉があることを理解させて、言葉を聞いて自ら考えて行動出来る子に育てて行きます。
まだ生後間もない3、4ヶ月の子に、「お座り」だ「お手」だと教えるのには全く意味がありません。その頃の子は、人間で言うと幼稚園の年少さんといった程度のレベルです。その頃に一番必要なことはなんでしょう?「人を叩いたりしない」「人のおもちゃを奪わない」こういった社会の基本ルールを学ぶ時期です。犬にも全く同じことが言えます。
犬はもともと猫と違って群れの生き物です。群れのルールを学び、そのルールに従って生活をする習慣が血に流れています。ルールは何故必要なのか? それは人間社会と同じく、ルールがあるからこそ秩序が保たれ「安全で安心」な生活が約束されるからです。人間社会の中でも、ルールの無い社会は無法地帯と同じで、例え家の中に潜んでいても怖くて安心していられません。みんなが共通のルールを守って生きているからこそ、安心して生活していられるわけです。そういう本当に基本中の基本を学ぶ第一歩が、年少さんの頃です。
犬も生後3、4ヶ月は、そういうルールが世の中にはある、ということを学ぶ大切な時期です。親や兄弟姉妹から早く離されて、そのルールをきちんと教えてもらえないまま成長すると、社会化出来ずに周囲に適応できなくなり、家族を噛んだり、思い通りにならないと威嚇したりと、勝手気ままな振る舞いをするようになってしまいます。
  
人間の子供も幼稚園、小学校、中学校、高校、大学とその年齢や成長に応じて、学習内容も複雑化してゆきます。幼稚園の子にいきなり小学校3年生の事を教えても意味がありません。形だけ出来たように見えたとしても、本人は全く理解できていないどころか、混乱をきたして弊害が起こるだけです。子犬にいきなり「お座り」「伏せ」「待て」など、形を教える事には何の意味もありません。意味を理解してこそ、それらの形の必要性が出てきます。  
おやつやおもちゃを使って、座る形を取らせても、伏せたような形を取らせても、本人がその必要性や意味をきちんと理解していなければ、形だけをさせることにはなんの意味もありません。幼稚園の子に小学校3年生の事を教えるのと同じです。月齢が3、4ヶ月の子には、まず、世の中にはルールがあること。「人(家族)を噛んではいけない」「他の子おもちゃを奪ってはいけない」「おしっこやうんちはこの場所でする」こういった、本当に生活をする上での基本的なルールをしっかりと教える時期なのです。この時期から、当然、言葉も教え始めます。
「お座り」「伏せ」などは、言葉が理解できるようになり、きちんと成長に応じた学習を段階的にしていれば自然と出来るようになります。また、形を後から学習させるのは、本当に簡単で数時間から数日でできるようになります。形というのはそういうものです。言葉を理解できれば形はおのずと付随してきます。混乱をさせないためにも、自然な順序の教育が必要です。まずは基本的なルール、言葉、そして形。
サーカスのように芸を教えるなら、おやつやおもちゃ、時にはムチを用いて形だけを有無を言わさず叩き込めば良いということになります。しかし、私がお付き合いしているのは、サーカスの猛獣でもなければ、その時の気分で可愛がるだけのペットでもありません。家族として生涯を共に生活し、生きて行く子達です。
ちゃんと教育をしてあげましょう。そして、信頼関係をしっかりと築いて、深く豊かな絆を育んで行きましょう。教育に遅いことはありません。根気よく、諦めずに、向き合ってあげれば必ず伝わります。20年近く生活を共にるすかもしれない彼らと、本当の家族として信頼し合えるのと、そうで無いのとでは天と地ほどの差があります。
AD.DOG方式は、まず、犬にも人にもストレスをかけないものです。
介助犬や盲導犬を育てるように、おやつや体罰を一切使わず、穏やかにストレスなく、しかし確実に教育、学習を重ねて行きます。

   
3、運動・体育について
身体を動かすことの必要性は、2足歩行の人間よりはるかに高いと言えます。
身体というものは動かす事に因って機能していると言っても過言ではありません。腸の蠕動運動に限らず関節、歩行、様々な身体の基本的な機能は、ベッドで寝たきり状態ではほとんど正常に働きません。適度に運動する事は人にとっても犬にとっても、生きとし生けるものにとって不可欠だと言えます。
身体が大きい小さいに関わらず、運動をしなくていい人も、運動しなくていい犬種もありません。
 
むしろ犬の場合は、4時間以上の運動が必要な犬種があるくらいです。そういう特殊な場合を除いても、普段のお散歩は通常の健康な子なら1時間は必須です。健康で体力に問題の無い子なら最低でも1回に30分、それを1〜2回。そこから長くする分には問題ありません。本人が喜んで行くようで、ご家族も時間的に余裕があるようでしたら、どんどん行っていただきたいのですが、もちろん、その子の体重や身体能力、季節に応じてお散歩の仕方、運動量に気をつけなければならない細かいポイントはあります。
やみくもにひたすら歩き続ければいいというものでは決してありません。また、自転車の引き運動のように、犬の身体や関節を壊してしまうようなマイナスの運動もありますので、間違った思い込みによる運動にはくれぐれも注意が必要です。
※1kg代から1kg未満の子の場合は散歩内容、運動内容が変わってきます。
お散歩だけでなく、一緒に遊ぶことでその中から様々なことを教えて行く事ができます。
犬にとって遊びは、何よりの学習の機会になるからです。つまり遊びながら、多くのことを学んで行くわけです。犬は遊んでいるつもりでも、教える側の家族は学習内容をしっかりと把握して、導いてやることが必要です。この遊びでは何を学習させるのか、遊びによる学習に関してもしっかりとご説明をし、お散歩の度に、また、ご自宅での遊びで実践して頂けるよう、ご家族に具体的なやり方をお伝えしています。
犬種によって必要な運動、お散歩の仕方、それらは季節によってもちがいますし、その子によって個体差もあります。
ご家族の事情で、出来る事と出来ない事が出て来る場合もあります。毎月、ご飯をお渡しする時に細かくお話をし、具体的にどんなお散歩をしていただくのか説明し、ご家族のライフスタイルに応じて、出来る限り可能なご提案をするようにしています。
AD.DOGでは、預かりをしておりません。
それは、私が預かってその間に様々な事を教え信頼関係を築くようになると、その子にとって私がリーダーであり、私が家族となってしまいます。
教育には前述したように根気と愛情が必要不可欠です。じっくりとかけたその時間の中で信頼関係が育まれ、それはやがて掛け替えのないものとなってゆきます。その機会を奪ってしまうのが、預かりによるトレーニングです。愛情が深いトレーナーだと家族の代わりになってしまいますし、逆に形だけを教える一般的なトレーナー(圧倒的にこのタイプが多い)だと、犬にはトラウマとなって心的なストレスがかかり、長期に渡って弊害が残ってしまう場合もあります。   
 
「学問に王道無し」と言われますが、教育にもまさしくその諺が当てはまります。
試行錯誤を繰り返し、その都度、悩み、迷い、喜び、発見し、そして深まってゆく。それこそが、教育だと思います。人間の親と子も、家族として捉えた犬と家族の絆も、大切なことを教え、育てることを介して少しずつはぐくまれるのだと思います。
それをご家族に実感していただくためにも、AD.DOGでは預かりは一切致しません。  
 
「犬の年齢と人の年齢。単純比較、対比するのは無理」
ところで、よく犬の年齢と人の年齢を対比させて「この子が人間なら○歳」などと言われることがあります。肉体年齢と精神年齢をまとめて、人間の年齢と単純に対比させるというのは本当にナンセンスな話です。
身体の構造が根本的に違い、寿命も遺伝子も全く違う生き物を、単純に人間の年齢に換算する事にはおよそ無理があります。様々な意味で、誤解の基でもあります。
私は、いつも会員の方には、知能と精神年齢の捉え方に関しては、わんこは1歳で小学校1年生だと思ってくださいとお話ししています。2歳になったら2年生、3歳になったら3年生、4歳になったら4年生、5歳で5年生、6歳で6年生。ここまでで精神的な成長は止まります。つまり、永遠の小学生というわけです。けれど、小学校6年生と言えば何でも理解していますし、狡い事を考えたり、駆け引きをしたりとなかなか知能犯です。
けれど、所詮小学生ですから、やはり最終的にはお父さんとお母さんが頼りで、大好きで、どの子も多かれ少なかれ、内弁慶なところが見受けられます  
それに比べて肉体年齢は、6歳を境に「老い」が始まります。犬は大きさによって平均寿命が変わります。小型、中型、大型によって、寿命の差がでてきてしまいます。
一般的には小型が長生きの子で18歳程度、中型の子が16歳程度、大型の子で14歳程度と言われています。ただ、人間と同じで医療技術の発達や病気を早期に発見することができるようになり、寿命はどんどん延びていますので、20歳を過ぎて頑張っている子もいますし、25歳という子もいます。しかし、それはかなり例外です。  
 
逆に、平均寿命が延びているにも関わらず、小型の子でも10歳程度で亡くなる子もいます。日本では全く規制されていない悪質なブリーダーの作出する遺伝疾患を持った子たちが、そう言った平均寿命を大きく下回って亡くなる子の多くを占めることになっていると思われます。ブリーダーの乱交配が原因で、ひどいアレルギーを持った子も増えています。
また、粗悪なフードや添加物にまみれたおやつなどによって、肝臓などの臓器に疾患をかかえる場合も後を絶ちません。
また、ストレスによる様々な疾患も、見過ごす事はできないまでになりつつあります。
さらに、寿命が延びたのは人間の世界と同じですが、それによって認知症や白内障といった、加齢に因る疾患も人間と同様、劇的に増加しています。
これら現代特有の状況を考え、それに則した健康管理を進めるとなると、それをサポートするためには、多様化した家族形体を把握した上で、その家族の一員である彼らのサポートもフレキシブルに対応が必要な状況になっています。
先にも書いたように、家族の協力無くしては「元気で長生き」は不可能です。
だからこそ、家族ができることを具体的に示して、それを最大限サポートしてゆく必要があると考えています。そして、日々、迷ったり悩みに直面する家族の方々をしっかりサポートしてゆくことも、私はとても大切なことだと考えています。

  
「看取りと、その後のご家族の心のケア その子が心の中で生きている限り、お付き合いは終わりません」
AD.DOGと会員の方との関係は、家族や親戚のような関係です。
様々な側面からサポートするのは、健康な時も病気の時も変わりません。
考えるのも辛い事ではありますが、いずれ看取ってやらなければならない日が必ずやってきます。それまでの闘病や様々な選択に関しても、できる限りのサポートができればと願っています。その子にとって何が必要で、何が負担になるのか。ご家族が混乱の中で、気持ちが動揺してしまったときにも、冷静にその子の事を考えて的確なアドバイスができるよう心がけています。
 
家族が病気になったり、最期の時を迎えつつある時に、冷静な判断をするのはとうてい無理なことです。身内の一人として、という気持ちと距離感を保ちつつ、知識と経験に基づいて混乱したご家族のお気持ちを整えながら、その子にとってより良い選択肢を一緒に考えてゆければと思います。
三華ももう今年で12歳です。
そのことを考えただけで、私自身いてもたってもいられないような気持ちになります。
看取る日が訪れた時、後悔しないように、感謝の気持ちだけで「本当にありがとう」と心から言えるように、それだけを思って彼女との日々を、愛情を持って楽しく豊かに過ごすよう心がけています。
看取りの後、半年後、1年後と、ご家族がAD.DOGを訪れてくださり、生前のその子のお話を本当に懐かしく語らう時、穏やかに時間が過ぎて行くのを感じます。
生きとし生けるものには必ず肉体の終わりが訪れます。けれど、その子の残してくれたものは素晴らしい思い出だけではありません。もっともっと深い、その後の家族の生き方を左右するほどの豊かな掛け替えのない贈り物を、命と引き換えに置いて行ってくれます。
それを、いつまでも大切にしながら、いつでも話せる、いつでも思い出せる場所でありたいと思います。
ご家族の心の中でその子が生きている限り、AD.DOGとのお付き合いは終わりません。  

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